優れた健康食品として注目されている「テンペ」は大豆を原料とした発酵食品で、
ゆでた大豆をハイビスカスやバナナの葉などにつく麹菌の一種
「テンペ菌」で発酵させてつくります。
発祥の地インドネシアでは400年以上前から常食されてきた伝統的な国民食です。
発酵食品というと、納豆やチーズのように独特の臭いのするものもありますが、
テンペは臭いはあまりなく、粘りやクセがありません。
納豆とテンペの製法は似ていますが、発酵に使う微生物(菌)が異なります。
納豆は細菌(バチルス)、テンペはカビ(リゾープス)が作り出します。
クセがないので調理材料として和・洋・中その他ケーキやおつまみなど
さまざまな料理に利用することができます。
幅広くアレンジできるので日常的に取り入れやすいのも魅力です。
また、テンペは機能的にも栄養的にもとても優れています。
テンペの利点として以下のことがわかっています。
①植物繊維が豊富である。(10.2g/100g:煮大豆の約1.5倍)
②腸内細菌のバランスを整えて腸の活動を活発にする。
③血液中のコレステロールや血圧を下げる。
④心筋梗塞や動脈硬化の予防。
⑤骨粗しょう症や更年期障害の症状の緩和。
⑥発酵することによって各種ミネラルやイソフラボンの吸収が良くなる。
⑦GABA(ギャバ)などの有効生理活性物質を多く含んでいる。
⑧ビタミンB2、ビタミンB6、葉酸などのビタミンが発酵によって増える。
⑨イソフラボンの増加によってアンチエイジング効果がある。
⑩抗酸化作用によって美肌効果や生活習慣病の予防に役立つ。
テンペ菌の大きな特徴として抗酸化性がありますが
科学者の間では奇跡のレベルとも言われているそうです。
身体の酸化、つまり老化を防いでくれる効果が期待できます。
また、GABA(ギャバ)は抑制系の神経伝達物質としてストレスを和らげたり、
神経を落ち着かせる効果があると言われています。
生活習慣病が蔓延する肥満体国アメリカでは20年くらい前から
肉に代わる食材として消費されています。
身近なスーパーや健康食品店などでも取り扱っているところが
増えましたし、手作りすることも可能です。
テンペはシンプルな調理で美味しくいただけますし
体にうれしい要素をたくさん含んでいますので
私たちの毎日の食生活にぜひ取り入れたい健康食品です。